GW帰省中にたまたま入った実家近くのBOOK-OFFで
「本が全品20%オフ!!」
のウルトラセールをやっていて、これはチャンスとばかりに面白そうな本を数冊買ってきました。
その中の一つに、90歳になる方が書いたエッセイがあり、ユーモアたっぷりに老いを描いていて心に染みました。
年をとることの現実、年をとっても楽しく生きる秘訣が、ほんのり伝わります。
本屋さんで、偶然の出会い
必要な本はamazonで買うことが多い私ですが、最近は本屋さんの棚も見るようにしています。
amazonのおススメ本では目にしない本がある、ということに気が付いたんですね、私。
あたりまえか?
本屋さんよりamazonの方が品ぞろえ豊富?とか、検索で出てこないものはないだろう幻想?ってのがあって、なんとなくamazonで探しときゃ何とかなると思っていたんですが、加えて
めんどくさい
ってこともありまして。電車代もかかるし。
でもある日、待ち合わせの時間つぶしに本屋さんで立ち読みさせていただいていたら、今までそこそこ見ていたはずの「定年本」ジャンルにもまだ知らない本がたくさんある(当たり前ですが)ことに気が付きました。
まずい。
それ以来、本屋さんの棚も観察させていただくようにしています。
これは!と思う本はその場で買います。
さて10連休となった今年のGW、地元の友人と飲んだ帰りにふと立ち寄った実家近くのBook-Off。
何かいい本ないかなーと店内に入って目についたのは、
「本が全品20%オフ!!」のポスター。
これは!
ストライクゾーン広げて、何か探してやるぜモード突入(笑)
お爺ちゃんのひとり言2 わくわくと90歳!
松本 春幸 著 文芸社 (2017/11/1)
偶然目が合ったのがこの本でした。
内容紹介
年寄りだとなめるな! スマホもSNSも使いこなし、自由に生き抜くパワフル爺ちゃん、再見参。若者たちに告ぐ「人生、そう捨てたものではないぞ」。「年寄りだからこそ自由に生きる」を体現する日々を綴ったエッセー集。
ずいぶんと威勢のいい紹介文ですが、たぶん敢えて刺激的に書いているのでしょう。
ちょっとこの紹介文は違うかな~
決して、面倒くさいお年寄りが吠えている類の本ではありません。
むしろ逆で、体はボロボロ頭も歳なりに衰えてあの世からのお誘いを必死でお断りしている情に厚く心優しく礼儀には厳しいお爺ちゃんが、
月に一回のエッセー同好会に満員電車に乗って通い、奥さんの看護をしながら、日々の暮らしを前向きに楽しんでいる様子を綴った、エッセイ集です。
スマホは周りの友人(大阪のおばちゃん)にうるさく言われてやっと使うようになったシニアスマホ、SNSもやむなく始めたLINE。でもこれが便利、と楽しんでいらっしゃる。
人生の先輩らしく、若者へのメッセージも含まれています。土地柄もあるのかな。
著者が住む大阪府八尾市の「河内気質」、さすがです(笑)
楽しむ姿勢が大事
苦労していくつかの会社を渡り歩いたのちに自らの会社を立ち上げ、75歳で引退した著者は、その後も充実した老後を過ごされているように綴られています。
いえ、実際は、奥様は引退直前にくも膜下出血で以来闘病生活、ご自身も二度の脳梗塞とひどい腰痛持ちで、なかなか大変なご様子。
しかし悲壮感は全く感じさせず、神様に感謝しながら、毎日を楽しんでいらっしゃいます。
エッセー同好会に通っている成果なのか、文章はとてもお上手!すらすら読めちゃいます。
なによりもこのお歳で出版!というチャレンジ精神に脱帽。
「私は幸せ者である」と言える人生に
私は、義父のお世話と母のご機嫌伺で、隔週で夫婦そろって実家に帰省している昨今です。
この本を手に取ったのは、耳が遠く記憶があやふやになり日々無気力になっていく、義理のお父さんに読んでもらえないかな、と思ったからです。
義父とほぼ同じ年齢の著者が、
衰えを受け入れながらも、
周囲に助けられて、
できる範囲で前向きに生活している様子に勇気をもらってくれないだろうか
と、生意気ながら思った次第です。
本の中に「楽しく年をとろう」という節があります。
多くの苦労を重ね、奥様が寝たきりになってしまっても著者は
「私は幸せ者である。」
と言い切っています。
我々人間は、年をとっても楽しむことができる。でも、その努力を惜しんではならない。
・・・
何故、もっと外に出て、色々なものに興味を持たないのだろうか。街には珍しいものや楽しいものが溢れているのを知らんな? 老人は映画も千円で見ることができるし、疲れたら、コンビニで、安くて美味いコーヒーも飲めるのである。
もっと、残る人生を楽しんでほしい。年寄りだからこそ、自由で、楽しむことができるのである。
読んでいるうちに、一昨年鬼籍に入った父のことや、昨年亡くなった義理のお母さんのことが思い出され、一気読みしてしまいました。
母に貸したら、同じように一気読みしていました。
今日、妻に託そうと思います。
お義父さん、読んでくれるといいな。