南米大陸最高峰のアコンカグア(6961m)登頂に挑んでいた三浦雄一郎さん(86歳)が、登頂を断念して下山を開始したという残念なニュースが入ってきました。
山登りとかマラソンとか、持久系の運動が苦手というか嫌いな私にはとても考えられない挑戦ですが、
昨年末のイベントで三浦雄一郎さんご本人の講演を聞く機会があり、なぜ歳をとっても挑戦を続けるのか、関心を持って今回の挑戦を見守っていました。
本当は「登頂成功」のニュースと一緒に講演の内容をご紹介したいと思っていたのですが・・・
そのときの三浦雄一郎さんのお話をここでご紹介したいと思います。
歳をとっても「挑戦すること」の大切さが、斜め上から急角度で、心に斬りこんできました。
「人生100年時代FORUM2018」に参加してみました
参加したのは、SMBCグループ主催の「人生100年時代FORUM2018」です。
2018年12月8日土曜日、有楽町にある東京国際フォーラムで朝10時から。私を含め、100年の中間折り返し点を過ぎたと見られる皆様が多数いらっしゃいました。事前申込は満席で、当日の入場には長い行列ができ、朝イチの講演から満席、立ち見。
「人生100年時代」という言葉は、英国ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏が長寿時代の生き方を説いた著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』で提言した言葉だそうで、私の認識では2017年から急に耳にするようになったように思います。
このイベントへの参加者の多さから見ても「人生100年時代」に対する関心の高さが伺えます。
会場の様子を見ると・・・
男女比ではやはり男性が多く、男子トイレに長い列ができる一方で、女子トイレはガラガラでした。女性はご夫婦で来られている方が多かったように思えます。
関係ないですが皆さんが着ているもの、この年代のファッションって、流行とかないと思うんだけど似てくるなぁ〜、ほぼ灰色から黒。素材感も似てますね。ナイロンのパーカー、ウールのジャケット、ユニクロのライトダウン…。
「あっ!」
何のことはない、自分もかすってますわ。
そそくさとユニクロのライトダウンを脱ぐ私でした。ちょっと若めの色なんだけどね、似たシルエットの人沢山いてね。(^^ゞ
「80歳でもまだまだやれる」
三浦雄一郎氏はメイン会場の特別セミナーのひとつに登壇、86歳とは思えないがっしりとした体格と力強い声で、パワーあふれる方でした。
まずは80歳で3度目のエベレスト登頂をしたときのショートビデオを上映、題して
「80歳でもまだまだやれる」
実際やっちゃった人が言うと説得力あります。
(何をやっちゃってきたかはWikipediaをご参照下さい)
三浦雄一郎氏のことは「高い山に登ってスキーで降りてくる命知らず」ぐらいの知識で、加山雄三とか長嶋茂雄のカテゴリー(生き物としての出来が違う人たち)かと思っていましたが、お話を聞くと幼少の頃は病弱で病院暮らしだったとか。
何がどうなったら今のタフガイになるんだ??
氏が言うには、「夢の持つ力」「何かやってやろうで、やってきた」そうです。
一般人からすると「やり過ぎ?」の感もしますが、そのくらいしてくれないと我々に希望を持たせてくれる、夢実現のリーダーにはなれないかもしれませんね。
今回は南米大陸最高峰のアコンカグア(6961m)登頂に挑んでいたわけですが、骨折したり直前に心臓の手術をしたりというトラブルがありながらも、予定を延期せずに登山に踏み切りました。
その背景にはご家族を含めた十分なサポート体制と、ご本人の「楽しむ心」があったのが大きいと思います。
講演では、エベレスト登山の際も8500mで缶詰を使った手巻きずしを楽しんだり、虎屋の羊羹と宇治茶でお茶会をしたりと、素人が想像する歯を食いしばって登る様だけではない、楽しそうな様子を語ってくれました。
今回も「年寄り半日仕事」を方針に掲げていたようです。
つまり、昼まで登って、あとは昼寝と休息というパターンで、ゆっくり時間をかけてベースキャンプへ到着して、アタックする。決して無理をしない、サポート隊に言わせると「究極の介護登山」。(笑)
しかしながらご本人の体調万全とはいかず、登頂はなりませんでした。
残念ではありますが、
- 「歳をとったら無理をしない」
- 「若い人の忠告を聞く」
というメッセージを広く我々に伝えてくれたことは、とても意義のあることだったと思います。
有難うございました。
歳をとっても挑戦することの大切さについて
講演では、なぜ挑戦を続けるのか、歳をとっても挑戦することの大切さについても語ってくれました。
三浦氏60歳前後でのこと。
7大陸の最高峰をスキーで滑降する夢を達成したあと、これで定年かなと気が緩み、運動はせずに好きなものを食べる不摂生を続けたそうです。
「もうしんどいことはしたくない」と思って「楽な生活」に逃げ込んだとのこと。
しかしその生活を続けた結果、不整脈、糖尿病を患い、検査したら「余命三年」と言われたそうです。
「これはいけない」
父の三浦敬三氏は99歳にしてモンブランでスキーをしていたことを思いだし、自分も「やりたい」という気持ちを持たねば!と一念発起、札幌市の自宅近くの山に登ったところ、・・・遠足の小学生に抜かれる情けなさ。
そこからが凄い。自分で訓練を開始、独自の「攻めの健康法」を実践。
ウォーキングやストレッチでなく、足に重り・背中にザックを背負って山登りを続けたところ背骨の痛みが治り、最後は片足10キロ背中に30キロの負荷をかけての訓練で、骨密度は20-30代になっていたそうです(素人は真似をしない方がよいかも…)。
骨密度もすごいが、巻き返しの密度もすごい!
楽しむ気持ち、攻める気持ちを忘れない
三浦雄一郎氏でさえ、「歳をとるとできない理由が増える」と言っています。
それをそのままにして何も努力せずにいると突然、「余命三年」とか言われてしまう。
ではどうしたらいいか。
三浦氏は、次の三つを提唱していました。
- いくつになっても気持ちがあれば人生を楽しめる
- それにはまず自分が健康でタフであること
- 攻める気持ちを忘れないこと
講演最後には「次は南米の山にチャレンジしようと思っています」
と語っていましたが、今回残念ながらチャレンジは成就しませんでした。
しかしながら上記の三つを高いステージで実践している姿は、我々に勇気を与えてくれます。
生きていればこそ。きっとこれからもチャレンジを続けていくのではないでしょうか。
・・・と思ったら下山後、
「周りに大迷惑をかけるかもしれないが、90歳でエベレストだ」
と語っていたそうです。
さすが!(笑)