突然、自分の居場所がなくなってしまうのを想像したことがありますか?
その場所が「会社」だったとしたら・・・
会社で働くすべての人が迎えるであろう「定年」。他人事のように考えていても、その時は必ず来ます。
もし今、会社にしか居場所がなかったとしたら、定年退職はなかなか大変なリスタートになります。
そのためにも「50代のうちから準備をしましょう」と言われているのですが、
ではどんな準備が必要なのか。
準備をすることで何が得られるのか。
定年前の準備の大切さを、再認識してみましょう。
準備で変わる、定年後の生活とは
コロナ禍で在宅が多くなって、自宅の居心地の良さ/あるいは居心地の悪さに気がついた方は多いと思います。
在宅で感じたことを活かして、この先の人生を気持ちよく過ごすための準備をはじめませんか?
居心地の良さに気がついた方は、その居心地を期間限定ではなくするために。
居心地の悪さに気がついた方は、この先の自宅での時間を居心地よいものにするために。
いずれ、長い長い在宅生活が始まります。
「毎日何をしていいのかわからない」
そんな毎日は本人もつらいし、周りの人たちに迷惑をかけることにもなりかねません。
一人暮らしの人も、家族と暮らしている人も、会社の外に「やること」「いくところ」「会う人」を育てておくことが大切です。
定年後の過ごし方 ~ 早めの準備と、比べない生き方を
定年退職は大きな生活の変化をもたらします。どう過ごしていいのかわからない方、定年前から不安な方もいらっしゃるようです。そこで、定年退職をむかえるまでにしておくべき準備と、定年退職後の過ごし方のヒント、心の在り方について、私の体験を交えてお話しします。
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やることがある
毎日やることがあると、退屈している暇はありません。
すぐにやらなければいけないこと以外に、
「緊急性が低いけど、大事なこと」
をひとつ、自分の成長のために日常に加えましょう。
- スキルとして身につくもの
- 何かの形でアウトプットできるもの
- 自分の世界が広がるもの
が、いいですね。
ひとつといわず、いくつでも。
少しでも成長した感じがあると、その日が充実して、明日に期待が持てます。
そんな「やること」を、早いうちに見つけておくといいですね。
「今日やらないことを決める」からの、一日の過ごし方
これはいい!と思える1日のスケジュールの立て方を最近実践しています。そのためか「今日は頑張ったな」感を得られる日が多いような気が… やることが多くて忙しい人にも、やることがなくて暇な人にも、とても簡単で効果があるのでご参考にしていただければ!
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行くところがある
「会社」がなくなったら、平日をどう過ごしますか?
週に何日かは外に出て、目と脳と体に刺激を与えないと、どんどん人間が劣化してしまいます。
家に居づらいからとか義務感で、図書館やショッピングセンターやパチンコや昼飲みに出かけるのではなく、先に述べた「やりたいこと」ベースで行動できると、世界が広がります。
自分をUpdateするための「行くところ」を、会社の外にもつくりましょう。
若いころの遊びが大事な理由。会社以外の居場所をたくさん作ろう
会社がないと何をしていいのかわからない、そんなあなたは要注意!退職したら仕事上の人間関係は100%なくなります。会社にあなたの居場所はありません。早いうちに、楽しいことに「時間」を投資しましょう。会社以外に居場所を、いくつでも、つくっておきましょう。
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会う人がいる
人としゃべることは大切です。
しゃべっていないと言葉がすぐに出てこなかったり言い間違えたり、会話の瞬発力というか脳の瞬発力が衰えます(これ実感)。
どうせなら行くところと同様「やりたいこと」ベースで刺激のある会話をするのが一番。
そのためにもやりたいこと、会いたい人たちを早めにみつけておくのがよいですね。
そうすれば、定年後に「会う人」がいなくなってしまうことはないでしょう。
せっかく自由な時間が増えたのですから、なかなか会えない懐かしい人と会うのも良いと思います。
久しぶりに会う段取りをつけるだけでも頭を使うし、ワクワクします。カレンダーのいいアクセントになりますしね。
そこからまた新しい付き合いが始まるかもしれないし、世界が広がるかもしれない。
大事なのは、何かやってみようという姿勢です。
会いたい人には会いに行こう。次の機会があるとは限らないよ
久しぶりに会う人・初めて会う人とは、相手が今どうなのか、何を話していいのか、ためらいがちなハードルがあります。でも思い切って会ってみると会ってよかったと思えることの方が多いです。チャンスがあったら会ってみよう!とてもいい人生のアクセントになりますよ。
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成長を感じられるものがある
「毎日やることがあるのが大事」というのは先に述べた通り。
そこに「成長要素」があると、少しずつ前進している感覚が得られます。
「退職したらやろう」と考えていたこと、たとえば家の片付けやアルバムの整理や撮りためたビデオ編集も、自分発信ネタに出来ればそれもまた成長要素。
作業だけで終わって自己完結せずに、人と共有できる形に仕上げるのは自己表現のひとつになります。
おススメは、「学び」を取り入れて自分をUpdateしていくことです。
気合一発「えいっ!」と自分を学びの場に放り込んでしまうと、とたんに日常が忙しくなります。
もちろんそれが「やりたいこと」であることが大切、でないと続きません(笑)
会社がなくなってからが「やりたいこと人生」の本番、まだまだ成長して行きましょう、僕たちは。
楽しい毎日のために、「できた」を生活に取り入れる
定年後「会社を辞めたらやることがなくて困った」なんてことにはなりたくないですよね。充実感のある毎日を送るには、ただ時間をつぶすのではなく、自分をアップデートしていけるものを、自分の時間の中にいれていきましょう。それには情報収集と行動、そして好奇心です。
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自分を発信する場がある
これまでは会社が「表現の場」であり、あなたがどういう人かは名刺を見ればわかりました。
しかしこれからは肩書きではなく、あなた自身が「自分はどういう人か」を語らなければいけません。
過去ではなく今、何をやっているか、やろうとしているか、何ができる人か、相手が興味を持つのはそこです。
過去の学歴や肩書でマウントを取りに来る人とは、あまり仲良くはなりたくないものです。
同窓会で肩書き自慢をする人、嫌われますよね…
「今、何をやっているか、やろうとしているか」、そういうことを持っている人の方が断然魅力的に見えます。
「何ができる人か、どういうことを考えている人か」、そんなこともあると自分アピールにいいですね。
得意なことや伝えたいことを発表できるのは、リアルの場だけではありません。
ブログやYoutubeで、自分発信してみませんか?
ハードルが高かったら、まずはSNSへの投稿から。
全部さらけ出すと、案外ラクになるものですよ(これホント)
濡れ落ち葉とは言わせない! 1人でもアウトプットの場を作る方法
「濡れ落ち葉」という言葉、最近はあまり耳にしなくなったように感じていましたが、今も健在のようです。 我々の年代にとっては、ドキッとする表現ですね… 退職後に「濡れ落ち葉」にならないためにはどうしたらいい? 会社以外に日常的に行く場所や会う人 ...
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人とのつながりが生まれる
退職後にも、新しい出会いはあります。
会社ありきのおつきあいではなく、素の自分でのおつきあいです。
会社にいた頃は、同じ「会社員」カテゴリーの知り合いがほとんどでしたが、
起業関係の集まりに顔を出すようになってからは、「こんなことで稼げるんだ!」「なんて発信が上手なんだ!」という驚きの出会いが沢山ありました。
昔だったらたぶん「この人なにやってるんだろう」という謎の人たちだったと思います(笑)
起業に限らず、趣味を通して、地域活動を通して、そういった「謎の人たち」と知り合う機会ができるでしょう。
特に、同じ年代で固まらずに、年上の先輩や若い人たちとも交じり合えるコミュニティがあると、自分の世代の考え方にとらわれない柔軟な思考や新しい情報に触れることができるので超おススメです。
あまり近づきたくないところとは上手に距離をとって、刺激になる人たちからはいい刺激をもらって、ウマが合う人を見つけて、楽しいつながりを作っていきたいものです。
ホリエモンに学ぶ ~定年世代の我々こそ、年代を超えたおつきあいを
コミュニティが家族か会社しかない、同じ年代の人たちとしかつるまないのが当たり前。ホリエモン氏が、そんな人たちに危機感を感じていることを語った動画があります。豊かな人生を歩むためには、遊びを全力でやる!年代の壁を超える!ことが大切だと説いています。
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これらが今、すべて会社だったら要注意
質問です。ここまで述べた、
「やること」
「行くところ」
「会う人」
「成長を感じられるもの」
「自分を発信する場」
「人とのつながり」 が、
今、会社以外にもありますか?
これらがほぼ会社にしかないとしたら危険信号。
定年退職後はつまらない生活になってしまう可能性が大です。
加えて「家に居るより、会社にいる方が楽」だったりしたら…。
「つまらない」を通り越して、「つらい」毎日になりかねません。
会社だけが人生じゃない。早めに準備を始めましょう。
定年前準備をお忘れなく。終活前の大事な準備としての「定活」
経済コラムニストの大江英樹氏が、「定活」という言葉を提唱しています。「定年後に向けた準備として、定年前にさまざまな活動をする」という意味です。大江氏が日経スタイルで執筆しているコラムからの引用ですが、「わが意を得たり!」というわけでご紹介させていただきます。
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名刺を作ってみよう(学歴、肩書き抜き)
ここでひとつ提案です。
個人名刺を作ってみませんか?
会社の名刺では、社名、肩書き、会社住所、そして自分のことは名前と連絡先しか書かれていません。
全部自分の情報で名刺をつくるとしたらどんな情報を入れますか?
但し「学歴や肩書などの自慢属性は無し」で、素のあなたがどんな人かがわかる情報を。
例えば、趣味、特技、アピールポイント、集めているもの、よく行くところ、などはどうでしょう。
「行きたいところ」「会いたい人たち」「やりたいこと」を想定して、その人たちに「共通点」を見出してもらえそうな情報を盛り込みたいものです。
ネットでのつながりを期待するなら、SNSのアカウントやブログのアドレスがあるといいですね。
つまり、こういった「つながる」名刺をつくるためには、「退職後にどういう生活を送りたいか」を考え、「つながりたい相手」を想定して、「つながる」情報を考える必要があります。
そして相手からも「つながってみたい」と思ってもらえる自分であることが大切です。
○○社の部長だから、ではなく・・・
「己こそ 己の寄る辺」~組織や肩書がなくても、自分があるさ
「己こそ 己の寄る辺」。少林寺拳法「聖句」の冒頭部分ですが、今でも強く心に刻まれている言葉です。長く会社にいると「肩書きこそ 己の寄る辺」「会社こそ 己の寄る辺」になりがちですが、退職したら会社組織の後ろ盾はありません。意識改革を、早いうちから。
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今のあなたを、好きになろう
会社の肩書きを外したら、次はあなただけの人生をつくっていく時です。
肩書きが無くなった自分にがっかりしている暇はありません。
むしろ肩の荷を下ろして、頑張った自分を褒めてあげましょう。
そして、まずは今の自分を認めて、好きになってあげましょう。
とは言っても、進むべき方向がわからず前に進めない自分はなかなか好きになれず、苦しいもの。
その時が来る前に準備をしておくことで、定年後の生活を想像することができ、不安なく次の人生に進むことができます。
まずは動いてみる。
本を読むでもいい、人の話を聞くでもいい、何かの活動に参加してみるでもいい。
何もせずにじっとしていては、近くにあるものに触ることも出来ません。
動き出しは遅くなるほどしんどいです。
体力と元気があるうちに、人生を会社モードから自分モードにシフトして、次の人生のための準備を始めましょう。